こんにちは!キッカです。
旅先での天気、気になりますよね。
気になるどころか、
「旅行の満足度を左右させる、最も重要な要素のひとつ」
と認識されているところもあると思います。
旅先でがっかりしないように、事前の正しい情報を確実に手に入れるようにしてくださいね。
ガイドブックなどよく出回っている情報では、グラフや表で、平均気温や降水量が表現されています。
とても便利そうに見えますが、数字の羅列では、具体的な点がはっきりとわかりにくいところもあります。
実際にはどんなものを準備しどのように過ごせば快適か、くわしく解説します。
ではいってみましょう。
結論、ベストシーズンはいつ?
ベトナムのベストシーズンについて、
日本の旅行会社は「11月〜4月がベストシーズンですよ」
と商品を販売していることが多くあります。
掘り下げていったところ、以下の事情がわかりました。
- 冬時期は、利益率の高いアメリカやヨーロッパ方面の旅行を販売しにくい
- 現地のホリデーシーズンにあたるので部屋を確保しにくい
- お部屋を確保できても値段が高いので、販売しにくい
そこで挙がるのが、東南アジア。またそこに含まれる、ベトナムを売って行こう、ということです。
「東南アジアは乾季には雨が降らないから、その時期にいくといいよ」と商品を販売されていますが、実際のベストシーズンは、そういうことでもないのです。
ここではベトナムのベストシーズンについてお話しますが、他の国へ旅行されるときには、旅行会社の情報だけを鵜呑みにされず、一度自分で調べてみるといいですね。
地域 | ベストシーズン | 予備知識 |
---|---|---|
北部 | 4月~9月 | 旅行会社がベストシーズンとしている季節と、真逆 |
中部 | 3月~9月 | 旅行会社がベストシーズンとしている季節と、真逆 |
南部 | 1年中 | 旅行会社がベストシーズンとしているのは、半年だけ |
理由をくわしく説明していきます。
ベトナムは「常夏の国」ではない
アジアの中でも、日本よりずっと南に位置しているので、「ベトナムは常夏の国」と思われがち。
ところが意外ではありますが、実際には違うのです。
ベトナムの国土は南北に長く、途中を山でさえぎられていたり、海に面する角度が違ったりする地形により、地域によって気候に大きな差があります。
北部の首都であるハノイから、南部の商都であるホーチミンまでの距離は、約1726㎞。
日本に置き換えると、東京から沖縄の那覇市までは約1600㎞、その点からみても、ベトナム北部と南部の気候が全く違うのも、うなずけます。
ベトナムには、地域により3つの気候区分がある
ベトナムの気候を調べると、3つの気候区に分かれています。
地域別に気候の特徴をみていきましょう。
ベトナム北部
(ハノイ、ハロン、ハイフォン、ニンビン、サパ)
ハノイを中心とするベトナム北部は、「熱帯」でも「亜熱帯」でもなく、「温帯」に属します。
日本の関東・関西地方と同じ気候区分で、夏に雨の多い「温帯夏雨気候」。日本の温帯地域の気候によく似ています。
「春夏秋冬」の四季もあり、ベトナムは北半球に位置するので、時期も日本と同じ。
春から初夏にかけては比較的晴天の日が多く、旅行に適しています。
夏は湿度が非常に高く、じっとりとしたまさに東南アジアをイメージする気候。
また夏から秋にかけては、台風が頻発、飛行機の運行に影響が出たり、クルーズのツアーなどは出港できなくなる日がでてきます。
大陸の山地から吹きおりてくる風が、低地であるベトナム北部に流れ込んでくるのですが、そこにはたっぷりの湿度が含まれるため、実際の気温の度数よりも、より寒く感じられます。
ベトナム中部
(ダナン、ホイアン、フエ、ドンホイ、ニャチャン、ダラット)
ダナンを中心としたベトナム中部は、「熱帯」に属しますが、私たちの想像する「熱帯」「常夏」とは違う、「熱帯モンスーン気候」。
季節風(モンスーン)の影響により、気候が大きく変動する気候です。
ビーチリゾートとして人気がある「ダナン」や「ニャチャン」は、年中その景色や気候を楽しめるということはなく、
秋の終わりから冬、春のはじめにかけて、つまり一年のうちのほぼ半分は、気候的(寒くて)にプールや海に入ることはできません、
ガイドブックなどにはあまり書かれていませんので、注意が必要ですね。
そして冬は肌寒いだけでなく、海はまるで日本海かのように大荒れになります。
ちなみに高原地帯である「ダラット」は、地図上はベトナム中部に入りますが、気候区分はベトナム南部に入ります。
ベトナム南部
(ホーチミン市、ブンタウ、フーコック島、コンダオ島)
まさに私たちが想像する「南国」「常夏」「東南アジア」を象徴した気候で、区分は「熱帯」、雨季と乾季が明瞭に区別される「サバナ気候」に属しています。
11月~4月の乾季にはカラっと晴れ、ほとんど雨は降らず、意外にも湿度は高くなく過ごしやすい。
5月~10月の雨季には一時的に大雨(スコール)がありますが、これも数十分~長くても2時間ほどなので、ベトナムの人は大雨をものともせずにバイクに乗って移動し、コーヒーを飲んで雨宿り。
この時期に日本から到着された方からは、空港を出るなり、「思ったよりずっと涼しくてビックリした!」という声を多く聞きます。
雨季は、梅雨のように雨が長く続くものでなく、1日のうちに数回、数十分のシャワーが降り注ぐような感じです。
そしていつの時期でも、「天気に恵まれなかったから残念。。」、ということはほとんどありません。
南部へ台風が上陸するなどの直接的な影響はありませんが、
間接的な影響によって悪天候が2~3日続くことは、稀にあります。
それぞれの季節の過ごし方と持ち物
次に、地域別・季節別の過ごし方と、それに適した持ち物や服装を紹介します。
※年により、多少前後することがあります
北部
月 | 服装 | 実情 |
---|---|---|
⑫ ① ② | ・日本の東京で着用する冬服 ・薄手のダウンジャケットなど ・ホカロンなどがあると重宝 | ・とても寒い日が続く ・5つ星ホテルではエアコンが完備されているので、エアコンで空調を整える ・それは「エアコン」であり「暖房器具」でないので、部屋の中も寒く感じることがある ・乗用車やバスなどの車内も、暖房はない ・建物に入って温かくて一息をつくことができる、ということはない ・外気は冷たく湿度が多く含むため、 洗濯をしても服は乾きにくく、 「乾かすのに3日かかった」なんていうことも ・着ている服にも冷たい湿度を呼び込み、 それが体に密着するため、「除湿」と「保温」が肝心 ・この時期に青空が現れれば、ラッキー ・湿気が多いため空は雲が多く、 青空が出て晴れることがほとんどない |
③ ④ | ・長袖シャツに長ズボン、靴が適当 ・サンダルではちょっと寒いかも | ・春が訪れ、過ごしやすい季節になる ・青空も見られるようになり、旅行のベストシーズン |
⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ | ・夏服 ・日よけとしてのシャツやストール | ・夏の到来。湿度も気温もとても高くなる ・ベトナムの夏は、南から北上するほど暑い ・6月~8月いっぱいの3か月間は、ベトナム人の夏休み期間 ・小中高生が休暇に入りますので、国内のリゾート地はベトナム地元の方で賑わう ・多くの人がこの時期の社員旅行をとても楽しみにしている ・社員旅行は家族で参加することが多く、この時期は都市部以外の観光地では、どこも賑わう |
⑩ ⑪ | ・シャツに長ズボン ・靴 ・サンダルでも寒くはない | ・束の間の秋 ・気候的には穏やかで旅行しやすいが、台風が多い |
【番外編】北部少数民族地域、サパ
北部山岳地帯にあるサパ( ラオカイ省 )は標高1600mに位置し、年間を通じて気温が17~23℃のすごしやすい気候です。
但し、6月~8月は雨が多く、12月半ば~2月は厳しい寒さとなり 雪が降ることも。
特に冬は霧でせっかくの棚田が殆ど見えません。
3月~5月と9月~11月が過ごしやすく、特に晴れて棚田がよく見える9月までがベストシーズンと言われています。
10月になると霧が発生しやすくなることから、車両の運行もスムーズにいかなくなることが多くなります。
そして冬には、東南アジア最高峰であるファンシパン山(標高3143m)も、閉山します。
中部
フエ、ダナン、ホイアン、ニャチャン
月 | 服装 | 実情 |
---|---|---|
③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ | ・夏服 ・日よけとしてのシャツやストール | ・旅行には最適な季節 ・海の透明度があがり、スキューバに適している ・7月は酷暑になる ・5月~8月は、ベトナム人の旅行が活発な季節 |
⑩ ⑪ | ・シャツに長ズボン ・靴 ・サンダルでも寒くはない | ・最も観光に向かない季節 ・降水量が急増し、台風が直撃、上陸し、毎年のように洪水が発生 |
① ② | ・シャツに長ズボン ・靴 ・サンダルだと少し寒い | ・平均気温は20度、その割には体感が低いので、プールや海はNG ・肌寒い日が多い ・サーフィンには適している |
ファンティエット、ムイネー
ベトナムから「砂漠」を思い浮かべることはあまりないと思いますが、意外にも大きな砂漠地帯があります。
ベトナムで最も乾燥している地域で、サボテンの仲間である「ドラゴンフルーツ」の栽培が盛んな地域です。
この地域は地理的には中部に分類されますが、中部の南端に位置しており、気候区分では南部に含まれます。
雨季は6月~11月、特に9月~10月の降水量が多いです。
とはいえ、砂漠地帯ですから、雨季でも降水量が 多くないので、台風の影響がなければ晴れる日が多いですし、長雨になることはまずありません。
南部より雨季に入る時期が若干遅いので、1月~5月がベストシーズンです。
ダラット
ダラットは中部高原に位置しますが、気候区分では南部に含まれ、雨季は5月~10月、乾季は11月~4月。
年間を通じて1日の気温が 15~25℃ぐらいの常春気候。
但し、日中暑い時は 30℃まで上がったり、逆に寒いと朝方5℃を下回ることがあります。
エコノミーホテルには暖房施設が整備されておらず、部屋の中でも防寒着が必要です。
乾季の11月~4月が旅行に適しているシーズンですが、気温が下がる1月は防寒着が必要。2月以降に行くと、美しい春の花の見ごろを楽しめます。
南部
ホーチミン市、ブンタウ周辺
月 | 服装 | 実情 |
---|---|---|
⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ | ・夏服 ・日よけとしてのシャツやストール | ・1日に数回スコールがある ・数時間すれば止む ・9月~11月は、他地域に台風があると、当地は梅雨のような天気が2日くらい続く ・フルーツがおいしい季節 |
⑫ ① | ・夏服 ・日よけとしてのシャツやストール | ・12月に入ると、朝晩は結構肌寒くなります ・快晴が続き、とても過ごしやすい季節 |
② ③ ④ | ・夏服 ・日よけとしてのシャツやストール | ・乾季の暑い季節。雨はほとんど降らない |
フーコック島
フーコック島はホーチミン市より雨季の訪れが早く、乾季は11月~3月です。
特に年末から2月上旬頃である旧正月までの時期が旅行に最も適しています。
但し、 乾季には、島の見所のひとつとなっている渓流の水が枯れてしまいます。
大自然に囲まれて川遊びもしたいという場合は、雨季でもさほど降水量が多くない 11月~12月が良いでしょう。
【番外編】コンダオ島
コンダオ島は、バリア・ブンタウ省の沖合いに位置する南部の島ではありますが、外洋に飛び出しているため、南部と中部を混ぜたような気候です。
乾季は2月~6月で、7月~9月にはスコールが降ります。
10月~1月は北東の季節風が吹きつけ、天気がぐずつくことが多く、海で遊ぶには不向きです。
季節風が切り替わる4月~5月は波が穏やかになり、ベストシーズンです。特に4月の海は鏡のように穏やかで、ダイビングやボートトリップに最適な時期です。
天気を味方につけて、楽しい旅行を
今回は、ベトナムの気候についてお話ししました。
ベストシーズンに旅行を計画しても、必ずしも恵まれるというわけではありません。旅行には常に雨具を備えておきましょう。
それでは、快適で楽しいご旅行を。
ではでは。