少し前に比べて、海外への渡航がより身近になった現在。
LCC(ローコストキャリア、いわゆる「格安航空会社」)がマーケットシェアを広げ、誰でも気軽に飛行機を利用して海外へ行くことが増えました。
旅行目的の海外渡航客も、年々右肩上がりです。
それにともない、日本企業が海外へ進出することも以前よりもっと増え、そのため海外へ赴任・駐在することになったり、その同伴家族として渡航する、ということも珍しくなくなってきています。
会社にもよりますが、日本側と現地側の両方でお給料が出て、家族が同伴であれば家族手当、子どもが同伴の場合にはその教育費手当、交通費や住居費など、慣れない海外での不便さを仕事に持ち込ませないかのごとく、さまざまな手厚いカバーがあるようです。
そして、駐在員のご主人に同伴し海外生活している奥様のことを「駐妻(ちゅうづま)」と言い、家事や子育てのためのお手伝いさんを雇ったり、立派な住まいで暮らし、日中には習い事を楽しむなど、めいっぱい現地を満喫。
「駐妻」とはある意味で「憧れのポジション」だったりします。
どんな理由で渡航するにしても、多かれ少なかれ不安はありますが、でもワクワクした気持ちで望みたいですよね。
この記事はこんな方におすすめ
- 旅行でベトナムへ来られる方
- 出張でベトナムへ来られる方
- 駐在員として、ベトナムへ出向される方
- 駐在員のご家族として、同伴でベトナムへ来られる方
- 留学や移住が目的で、ベトナムへ来られる方
実際に現地に来てから「知らなかった」「こんなはずではなかった」となることがないよう、事前に知っておいた方がいいことを、『心の準備』としてまとめました。
今回は、住居・ホテル編。
ではいってみましょう。
ベトナムの現実、住居・ホテル編 ①ヤモリが部屋に出現!
そうです、あのトカゲの仲間ですね。
ベトナムの住居やホテル(特にリゾートホテルやヴィラなど)では、年間を通してこの「ヤモリ」が出現します。
「屋」を「守る」と書いて、「屋守」ヤモリ。
読んで字のごとく、ベトナムでは「家を守ってくれる大切なもの」と崇められています。
とはいえトカゲの仲間、存在を知らずに初めて遭遇したときにはビックリして叫んでしまいそうですし、なかなか慣れないものかもしれません。
ヤモリは、大人でも全長15センチくらいで体はベージュ色で目立たないため、室内にいても気づかないこともしばしば。
要するに、気にしないことが一番です。
具体的な行動としては、大家さんやホテルスタッフの方に「部屋にヤモリが出た」と、クレームをあげない方が無難。
特に何か対応できるわけではありませんからね。
「ヤモリの行動はコントロールできないし、
この日本人は怖がりだなあ」と思われるだけでしょう(笑
防虫対策をすれば、虫だけでなくヤモリも室内に入ってこないはずですが、それでもいつの間にかいるんですよね。
マンションでも一軒家でもベトナムの家屋には一般的に「網戸」がありませんので、それが進入を避けられない原因のひとつです。
ちなみにヤモリはベトナム語で「 Tắc kè(タッケー)」、
英語では「Gecko(ゲッコー) 」といいます。
両語とも、ヤモリが発する鳴き声からきているそうですよ。
ベトナムの現実、住居・ホテル編 ②アリが大量発生!
雨が多い季節になると、部屋のいろんなところにアリが出やすくなります。
ほんの少しの食べかすが床に落ちてたりすると、数分の間に集まったアリで真っ黒になるのは、日常茶飯事。
害虫駆除を頻繁に行っている施設でもなかなか免れられず、ですが特に害はないので、これは自分で適宜処理をするしかありません。
2つ入りで700円くらい。
輸入品なので、ちょっと値段が高めではありますが、
現地でも手に入るのは大変ありがたいことですよね
「アリの巣コロリ」のパッケージの説明を読むと、「アリの種類によっては効かない」と書いてありますが、この種のアリには効果的です。
ベトナムの現実、住居・ホテル編 ③黒いあいつ、が出た!
ベトナムでも、ホーチミン市や首都ハノイなど、都会にある4〜5つ星ホテルでしたら、ゴキブリが出ることはほとんどありませんが、住居の場合には、どんなにキレイに掃除をしていても、姿を見せることが時々あります。
特にマンションやアパートなどは世帯が集合していますから、ある程度の出現は仕方がないことかもしれません。
Amazonや楽天の商品レビューでも、とても評価の高い「ブラックキャップ」。
その効果はベトナムでも発揮してくれて、とてもよく効きますよ。
これも同じく、市内にある日本製品を取り扱う雑貨屋さんで販売されていて、1箱1200円くらい。
日本製の害虫対策製品は、とても優れています。
ベトナムでも効果が高いものは、日本で購入し準備して持って来られた方がいいですよ。
ベトナムへのお引っ越しが済めば、すぐに対策がとれますからね。
渡越したばかりは、欲しいものを買い求めるためにお店を探すだけでも、一苦労かもしれませんから。
ベトナムの現実、住居・ホテル編 ④お手伝いさんには「当たり前なことでも、あらかじめ伝えておくことが大切」
ベトナム生活の中では、お手伝いさんを雇い、家事や掃除・洗濯など、いろいろなことをお願いすることが出てくることが多くなります。
所属する会社の人事が雇ってくれることもありますし、居住するアパートの家賃に含まれていることもあります。
私たち日本人の常識は、ベトナムの人たちにしたら次元を超えたもの。
想像をし得ないもの、ということを心に銘じておきましょう。
ですから、普通に考えたら当たり前のことでも、環境や価値観の違いから、想像を超えた対応をするお手伝いさんがほとんどです。
たとえば、
海外では、水道水は飲用にしないのは、私たちの常識ですよね。
同じ水回りでも、キッチンとバスルームでは使用意図が違います。
「料理には水道水を使わないでくださいね」
「キッチンのシンクでは、床掃除などに使った雑巾を洗わない。雑巾を洗う場合は、○○(洗う場所の指定)で洗ってくださいね」
「床を拭く雑巾で、冷蔵庫の中を掃除しないでくださいね」
など、あらかじめルールを決めておけば、お互いにイヤな思いをすることがなく、気持ちよく働いてもらえます。
お手伝いさんは、他の家庭のお手伝いを複数軒、掛け持ちしていることが多いものです。
洗濯を頼んで、返ってきた衣服を確認すると、
「服に直接、ボールペンで自分の名前が書かれてあった」
というのは笑い話ではなく、「ベトナムあるある」です。
私たちにしてみたら、
「まさか、人のモノに油性ペンで名前を書くか!?」
と思いますが、お手伝いさんたちにしてみたら、書く方が常識。
「ちゃんと着られるし、外には見えない。何か問題あるの?」
「間違えないようにしているんだからいいんじゃない?」
確かに、そうではありますが(笑
これは、ホテルに長期滞在する場合のクリーニングサービスを依頼するときにも、同じことがいえます。
まさか、ゼッケンのように「TANAKA」「YAMADA」書かれることはありません(多分)から、ある程度任せるほうがベターでしょう。
基本的には皆いい人で、悪気はないのです。
そして、「お手伝いさんを職業としている人たち」の背景も知っておかなければなりません。
ベトナムでは、私たちが想像する以上に、職業によって人の見る目が違ってきます。
いわゆる、「職業差別」。
言葉を選びながら伝えるのは難しいところですが、口語的に言えば
「お手伝いさんをするような(これまで社会的背景に恵まれてこなかった)人だから、雇い主と考え方や感覚が合わないのは、しょうがないこと。もしそうでなければ、もっといい、他の仕事をしているよ」
ベトナムでは、お手伝いさんを雇うことはお金持ちが雇える特有なもの、ではありません。
高所得者や外国人だけでなく、中流家庭や一般家庭も、特に共働きの場合には、家事や育児のフォローをお願いするために、気軽に雇います。
これは、そんな中でベトナムの人たちから発せられる、よく聞く会話です。
ベトナムの現実、住居・ホテル編 ⑤エレベーターでは、マナーという概念がない!?
エレベーターを利用するときには・・・
降りる人が全員降りてから乗る。
そして先に乗った人は、次に続く人のために「開くボタン」を押しておく。
「何階ですか?」と、行先ボタンを押してあげたりもしますよね。
先に降りる人がいれば、「開くボタン」を押しておいてあげますし、同じ階で降りる方に対してだって「お先にどうぞ」と譲ります。
これが「普通」だと思っている我々日本人が「それ」を当たり前だと思ってベトナムで過ごしていると、すごくイヤな思いをすることが多くなってしまいます。
ベトナムでは
「エレベーターは扉が開いたら(中から降りたい人がいてもいなくても、自分には関係ない)乗る。自分が乗れば、後に続く人は関係ない」
という人がほとんど。
中には、次に乗る人がいるのに、「閉ボタンを連打する」人もいるそう(笑
これはその人が「イヤなヤツ」なのではなく、「エレベーターを乗るときのマナーの概念」そのものが、存在しないからです。
ですから私たち日本人は、自分たちの固定観念を押し付けず、そのような場に遭遇しても「文化の違い」と気にしないことが一番です。
気にすると、イヤな気分になり、損するのは私たち日本人です(笑
ただ、自分の子どもには決してマネをさせたくない行為ではありますね。
「考え方や文化の違いである」ことを子どもさんに教えてやってくださいね。
決してベトナムの人たちを批判するような発言は、
お父さんやお母さん方からは発せられることがないように、と願っています
防虫対策用品を購入できるお店情報と地図@ホーチミン
雑貨だけでなく食器類や食品、化粧品や医薬品、100均製品(100円ではありません)が豊富に揃い、在住日本人の方々は大変お世話になっているお店です。
市内には何店舗かありますが、中でも訪問しやすいお店を紹介します
- お店 HACHI HACHI Japan Shop(通称、ハチハチ)
- 住所 224A Pasteur, Phường 6, Quận 3, Thành phố Hồ Chí Minh
- 電話番号 +84 28 3820 6057
- 営業時間 9:00~21:30
ベトナムの現実、住居・ホテル編 まとめ
今回は、「海外で楽しく滞在するため」のコツとして、住居やホテルでの滞在のヒント、ベトナムの現状をお伝えしました。
快適に過ごすコツは、
- 自分の固定概念を当てはめないこと
- 郷に入らば、郷に従え
正直、イライラすることもありますが、文化や育った背景の違いからくるものであると俯瞰してみると、結構面白くなってきたりもするものです。
少しでもご参考になればうれしいです。
ではでは。